素性は?弐

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 「何故だろうね。君を、知りたいと思うんだ」  「────…」  言葉に窮した。  ────嗚呼、その言葉を聞いたのは、一体何時だったか。  『別に意味何て無いさ。ただ知りたい、それだけだ』  「……君も、変わっているな…」  「え、そう?」  「君は、奇想天外な話は好きか?」  「…それが真実ならね」  自分の質問には答えず質問を重ねた斑に、沖田は暫し考えてからそう答えた。すると、それを聞いた斑は目を伏せて口角を持ち上げる。  「君は、あの時の私を見てどう思った? 異人? 珍妙な子? それとも、異国からの密偵?」  瞼を持ち上げる。  「いいえ。どれも違います。私は確かに異国、ロシアから来ました。ですが、“今の”ではありません」
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