一章《死神の通り道》

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彼女は戦争を嫌っている。もちろんレヴァンだってやりたくは無い。 でも、世界はそうなってしまう。 きっと、サーシャもこの未来は見えている。 (あいつのことだ。うまく回避して見せるんだろうが…) やっぱり、心配なものは心配である。 ちょくちょく現れる魔物の群れをうまく退けながら進む二人。 ふとユーリは大きな足跡を見つけて、レヴァンを呼び止めた。 「これは…何の足跡かしら?」 レヴァンは足跡を見て、色々な観点から魔物の種類を探る。 そして、その足跡が、とんでも無いやつのものであることがわかった。 「…何かわかった?」 「…あぁ。ギリードラゴンだ。こういう森によく住んでいるドラゴンで、保護色で姿をくらませる。見つかったらそうそう逃げ切れない」 説明を終えると、二人は足を速めていく。 魔物の血の臭いで場所を特定され、そこで見つかったら、最悪ギリードラゴンの胃袋行きだ。 ドラゴンというのは、本来神が使わした生き物として知られるが、今回のギリードラゴンについてはトカゲの進化なので、そこら辺の肉食動物のなかでは一番質が悪い。
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