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「まぁ、見つからなければ一番なんだけどな…」
辺りをさっきよりも強く警戒しながら、二人は小走りで森を進んでいく。
「だいぶ森を進んだけど、まだ森を出られそうに無いわね」
「休むか…」
ちょうどいい木陰を探し、座り込む二人。
静かな森の中で二人は辺りを見回して、遠くから聞こえてくる音を探り始めた。
「なんだこの音…笛か?」
「笛にしては、濁った音がするわ。…あっちから、聞こえてくる」
ゆっくりと音が鳴る方へ向かう二人。
すると、いきなり甲高い魔物の悲鳴が響いた。
「おいおい、ありゃギリードラゴンの鳴き声だぞ。誰が相手してるか知らねぇが、どうする?」
「…放っておきましょ?ここで消耗したくないし」
「だよな~」
くるりと踵を返して、歩き始める。
遠くでは、何者かによる音により苦悶の声をあげるギリードラゴンが、倒れていた。
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