二章《森に住む女王》

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もしくは、現地で金を稼ぐかの二択である。 「…仕方ねぇ。適当に人助けして、漬け込もう」 「ついでに情報収集もしておきましょ。これからの方針も考えないと」 「そうだな」 街中を歩き回り、二人は図書館の前に来た。 国立の図書館らしいが、ファンダリアの同じ図書館とは規模がまるで違った。 建物の大きさや、周りに配置されている警備員らしき男達の数から見て、かなり重要な資料が収められているような雰囲気を漂わせている。 「ここなら、少しは俺の研究も進められそうだな…」 と、レヴァンは言う。 人間の中には自らの魔法属性である魔力の他にもうひとつ、特殊な魔力を持ち合わせている者が稀に存在する。 一般に異能力と呼ばれるそれを持つ人間は、化物として扱われ、酷い差別を受けている。 レヴァンもその一人で、彼は『闇』の魔力を、光の魔力と共に生まれつき備えていた。
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