二章《森に住む女王》

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レヴァンはその異能力について、研究を続けていたのだ。 この旅の目的も、異能力の研究が一番に上げられる。 その異能力についての資料が、ここにあることをレヴァンは祈った。 目を輝かせているレヴァンを横目に、ユーリは彼に問う。 「どうするの?先に調べ事は済ませる?」 「え?あ、いや、そうだな…どうしよ」 我に帰り、返答しようとした。 そのとき。 「きゃああああ!」 「オラてめぇら、退きやがれっ!!」 人混みの中から怒声と、悲鳴が響いた。 二人が訝しげに振り向くと、人混みの中から五人組の、やたらガラの悪そうな男達が走ってくる。距離はまだ遠いが、二人に近づいている。 それぞれ片手に革袋、もう片方にナイフ、といった装備だ。 恐らく、賊か何かかな、とレヴァンが考えると、 「泥棒よ!誰か、捕まえて!!」 なんて声が響く。 数人、男達が泥棒達に組かかるが、あっさり倒されている。 おまけにナイフで刺された者もいたらしく、街の人々は道を開けていた。
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