二章《森に住む女王》

5/25
前へ
/37ページ
次へ
レヴァンは後ろを振り向いた。 図書館を護っていたはずの警備員がいない。 というか、逃げていた。 ユーリもそれに気づいたのか、二人して盛大にため息をついた。 なんと情けない警備員達だろうか。 「あ~あ…仕方ねぇ。ちょっと行ってくる」 ユーリは待ってて、と言うが早いか、レヴァンはこちらに逃げてくる泥棒達の前に立ち塞がる。 「てめえ、そこを退きやがれ!ぶっ殺すぞ!?」 うまく通路をふさいだレヴァンは泥棒達の怒声を聞いて、 「お~いユーリ!先に図書館行っといてくれ!」 あえて無視して、遠くでのんびりしていたユーリに指示を出した。 ユーリはわかった、とサインを出し、図書館に歩いていく。 「無視してんじゃねぇ!」 そこまでやると、次に泥棒達がナイフを手に襲いかかってくる。 「兄ちゃん、逃げな!」 「危ねえっ!」 街の人々が後ろから口々に言うが、それも無視した。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

158人が本棚に入れています
本棚に追加