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レヴァンは後ろを振り向いた。
図書館を護っていたはずの警備員がいない。
というか、逃げていた。
ユーリもそれに気づいたのか、二人して盛大にため息をついた。
なんと情けない警備員達だろうか。
「あ~あ…仕方ねぇ。ちょっと行ってくる」
ユーリは待ってて、と言うが早いか、レヴァンはこちらに逃げてくる泥棒達の前に立ち塞がる。
「てめえ、そこを退きやがれ!ぶっ殺すぞ!?」
うまく通路をふさいだレヴァンは泥棒達の怒声を聞いて、
「お~いユーリ!先に図書館行っといてくれ!」
あえて無視して、遠くでのんびりしていたユーリに指示を出した。
ユーリはわかった、とサインを出し、図書館に歩いていく。
「無視してんじゃねぇ!」
そこまでやると、次に泥棒達がナイフを手に襲いかかってくる。
「兄ちゃん、逃げな!」
「危ねえっ!」
街の人々が後ろから口々に言うが、それも無視した。
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