二章《森に住む女王》

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襲いかかってくるナイフを前転でかわし、背後に回る。 起き上がりざまに片足を捻り、勢いをつけて男の一人を蹴りつける。 「ぎゃあっ!」 蹴られた男は吹っ飛んで、壁に頭から激突し、動かなくなる。 そのままレヴァンは踏み込んで、次のナイフ二本を踏み込んだ足とは違う方の足で蹴り落とした。 蹴りの勢いを利用して、片足を軸に回し蹴りを放ち、呆気にとられていた右側の一人を昏倒させる。 その男を放り投げ、タイミングを合わせて蹴り飛ばす。 左側の男達はそれにぶつかり、まとめて倒れた。 レヴァンが着地する。周りには、倒れた泥棒四人と、レヴァンの速すぎる動きに唖然としてしまって、攻撃できずにいた最後の一人の泥棒がいた。 「…案外、大したこと無いな?」 苦笑して、泥棒に言うレヴァン。 「な、なめんじゃねぇ!!」 男がナイフを振り上げてくる。 「死ねやオラぁっ!」 ナイフをレヴァンめがけ振り下ろす。 当然それはレヴァンには当たらない。 男の横に回り、少し下がった男の頭を強烈なアッパーカットで突き上げる。 男は、ふぎゃあああっと悲鳴と共に空を舞うが、まだレヴァンは止まらない。 跳躍して、男よりも上にポジションを取ると、 「死ねやオラぁっ!」 さっき男が言ったセリフを真似て、男の腹に踵落としを叩き込んだ。
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