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結局、その一日は午前中は街の人からあれこれと話を聞いて回り情報収集をして。
午後からは、街の子供達みんなと遊ぶはめになり、散々振り回された挙げ句、夕飯も一緒に食べることになった。
いつもよりも騒がしく過ごしていたせいか、レヴァンは日が暮れる頃にはかなり疲れていた。
夕飯は外で、住宅街のみんなが集まって作っていた。
レヴァンがユーリを連れてそこに来ると、また子供達が騒ぎだした。
ユーリが見つけた宿はキャンセルとなった。
ここまで歓迎されているのだ。
泊めてくれる家の一つくらいあるだろう、とふんだのだ。
「ほらよ!ユーリちゃんにレヴァン君。歓迎するぜ!たくさん食べてってくれ!」
ちゃん付けと君付けに少し戸惑いながらも、回りの人々にあわせて、暖かい料理を食べ始めた。
「なんだか、いきなりずいぶん気に入られたわね」
「そうだな。かえってラッキーだったかもしれん」
話したあと、二人は談笑する街の人々を見る。
皆が笑顔だった。皆が平等に、幸せに暮らしている。
そんな風景に。
「ちょっと…羨ましいわ」
ユーリが言った。
「……俺も。最初にクリードに来てよかったよ」
こんな平和な空間に、自分たちを置いてくれたのだから。
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