一章《死神の通り道》

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『天より放たれし裁きの雷よ!ここに現れ、我が敵を滅せ!《ジャスティ・ボルト》』 息の合った複数の詠唱が重なり、同じ魔法が発動した。 魔法を使った男達の手から、雷が放たれる。 それらは真っ直ぐ突き進み、一組の男女の足下で爆裂する。 ゆるりとした自然な動作でそれを回避する二人の男女。 男が言う。 「あー…ユーリ、どうする?明らかに俺達警戒されてるけど」 ユーリ、と呼ばれた女は、次々と放たれる稲妻を見つめ… 「前ががら空きね」 稲妻を完全に無視した発言をした。しかも、今の言い方では彼女はこの破壊の嵐を突破するつもりでいるようで…… 男こと、レヴァン・ラークウェンはため息をついた。 そして、その破壊の嵐の中を進み始める。 また、魔法が発動する。確かに前方は、ユーリが言った通りがら空きだが、こちらの頭上をピンポイントで狙ってくる。
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