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「チクショウ、俺が何したってんだっ!!」
言いつつも、背後から飛んでくるテニスボールや硬式球、砲丸、矢などの、倫理的に決して人に向かって投げてはダメなモノを避け続ける。
俺が避けた砲丸やボールは校舎の壁や窓ガラス、照明に当たっては破壊を繰り広げていく。
「お前らァ!誰がこの責任とると思ってんだ!!」
「「「「「お前だぁ!!!!」」」」」
腐れ外道共め、わかっててやってんのかよ!
後で会計と教師に怒られると思うと、不幸すぎて泣けてくる。
ひとまずコイツらを撒いて、隠れられる場所を探さねばならない。
何かアイテムはないかとポケットに手を入れると、そこには友人からもらった、今まさに神からの助けとも言えるモノが入っていた。
俺は勝利の確信と共に振り向き、後ろの集団に向かってポケットにあったブツを投げつけて言った。
「じゃあな、阿呆共!!俺は逃げさせてもらうぜ!」
「なんだとっ!? ……うっ、コレは煙幕だと!?」
「さらばだっ!」
そう、俺が投げたモノとは、ただの煙玉だ。ふぅ、友人が忍者で良かった良かった。
「な、何も見えないわ!」「あの野郎、ドコ行きやがった!?」「クソッ、堀そこねたか……」という声を背に、俺はコソコソと足元のマンホールを外しエスケープする。
進学してからの2ヶ月、お祭り好きの生徒会長に副会長をやれと命じられ、それ以来毎日のように追いかけ回される日が続いている。
特に俺の周りにいる奴らは面白がって、イロイロ馬鹿な計画を企ててくる。(そのたびに死にかける)
神さまのボケナスには、俺の平穏で平和で安寧だった日々を利子付きで即刻返してもらいたい。
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