僕の関節は逆可動

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倒れ込んだ姿勢のまま、下から上へゆっくりと視線をあげていく。 まぁ、そんなことしたら当たり前のように視界に入っちゃうモノもありまして。 「く、黒のガーターだと……?」 「似合うだろ?」 「それはもう!」 「普段は履いてないんだけどな、今日は特別だ」 「なん……だと……?、ってイタタタ!! 指、指がっ! ちょ、かかとで踏まないででででででで!」 「む、こりゃ失敬。 右手だけってのもアレだろうし、もう片方も踏んでやるから出してみな」 「は!? なんでそうなんの!?」 「昔、とある神父がこう言っていた。 『右の頬を打たれたら左の頬にパイルドライバー』とな」 「意味が超絶的にわからない上に、元ネタが絶対通じないと思う!」 「わからない奴はggrksってコトだな」 「……もういいッス」 ハァ。 読者様のために、たった今、自由気ままかつ好き勝手に喋りまくってくれたこのお方を軽く紹介しますと、彼女は晴海学園生徒会書記を務めており、 名を廿楽 甘露[ツヅラ カンロ]という。 外見は切れ長の目と足の長さが特徴的なのだが、なんといっても髪型が一番目立つ。 漆黒の美しいセミロングの髪の毛先を外側に跳ねさせ、紫色に染めたメッシュのラインが幾本か走っているのだ。 目立って目立ってしょうがない。 さすがの先生達もこの頭髪には注意をしたらしいのだが、「これがアタシの個性ですから」と言ってねじ伏せたらしい。 さすが学年次席の女としか言いようがない。 「別にねじ伏せたわけじゃないぞ。 先生方にお・ね・が・い♪しただけだ」 この阿呆女、どうやら恐喝と懇願の違いもわからないらしい。 「今アタシのコトを阿呆女と言ったのだとしたら、歯ぁ食いしばりな」 訂正、暴力おんnげぶらぶしっ!?!?
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