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「んでお前にやってもらいたいコトだが、かくかくしかじか」
「あの、かくかくしがじかと言われても全くわからんのですが」
「ソコは小説特有の流れで察せよ」
「……イェッサー」
「アタシはサーじゃないっつうの」
口答えした俺の頭を、ブーツの踵でグリグリと強く踏みつけてくる。
気分はまさに道端に捨てられたら煙草の吸い殻。
いや、吸い殻になったことないからわかんないけど、多分こんなんじゃね?
「説明すんのダルいから、要点だけこのメモに書いといた。 猿でもできるお使いだから、ミスったり逃げたりしたら、屋上から紐なしバンジーの刑に処す」
「りょ、了解しますた……」
この人は紐なしで屋上からジャンプしたらどうなるかわかってるのか?
どっかのグラップラーよろしく、上手く五点着地しても確実にケガすんだろ。
ド○ゴンボールなら地面にめり込むレベル。
……あぁ、死ねってことか。
「さ、わかったんならサッサと行った行った。 そうそう、言い忘れてたが期限は晴海祭開催の2週間前までな」
「行きます行きます! 痛ッ! だから蹴らないでっ!! 痛ッ痛ッ!!」
ようやく足の下から解放されたのだが、今度はサッカーボールのようにゲシゲシ教室外へと蹴られていく。
教室の入り口まで来ると甘露先輩は、うずくまる俺(生徒会室来てからずっとうずくまってる)を置いて後ろ向きに後退しだした。
そう、まるで助走を取るかのように……!
「よし、そんじゃあ、行ってこーーーーーーーーい!!!」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
あろう事か先輩は、助走の勢いそのままで思い切り俺を蹴飛ばした。
俺の視界に入るモノは、全開に開かれた窓と青い空。
そして俺は鳥になったのでした。
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