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「さぁ、ちゃっちゃと乗り込んじゃって。 ちょうどデータが取りたかったところだし」
「えっ!?もしかして俺が第一被害者!?!?」
「いや、最初はボクがとてもとても可愛がっていた犬のベアトリスク鈴木が被害……実験に付き合ってくれた」
「もはやツッコミ所が多すぎて捌ききれねぇ」
「ごちゃごちゃ言ってないで、さっさと中入れ。 えい」
「ぐぎゅっ」
俺は無理やり入れられ(性的な意味ではない)、半ば諦めのため息を静かについた。
ん?そう言えば、ここって室内でもあり、地下でもあるわけだよな?
どうやって外に出るんだ?
「それは無問題[モーマンタイ]。このレバーを下げるとあら不思議、天井とその他もろもろが開く仕組みになっております」
「ちょ、人の心ん中を読むんじゃねぇ!それに、いくらなんでもこれはやり過ぎだろ」
奴の言った通り、次々と俺の上にある天井から屋根、さらには地面が機械的な音と共に開いていく。
数秒後、さっきまでいた青空が見えるようになった。
……嫌な予感しかしねぇよ…
「それではカウントダウンいきまーす」
「せ、せめて心の準備をする時間を」
「5、4、3、発射ー。ポチっとな」
機械が作動し、俺という名の弾丸が盛大な勢いで射出される。
恐怖心を無くすため、思い切り叫ぶ。
「最後まで数えろおおおぉぉぉ馬鹿野郎ぉぉぉぉ……!…!…………」
俺の断末魔が学園中に響き渡った。
今日もやっぱり俺、
七海 恭助[ナナミ キョウスケ]は、知らずのうちに面倒事に巻き込まれるのでした。
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