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「あぁ~、ダリ~。誰かこの学校をぶっ壊して、授業なんてできない状態にしてくんねーかなー。」
とある平日の午前中、授業中にも関わらず俺は、教室の窓の外に広がる広大な敷地を眺めながら文句をたれていた。
外は先日同様晴れ渡り、校庭では初等部の生徒達が体育の授業をしている。
初等部はもうすぐ運動会らしく、組体操や騎馬戦を楽しそうに練習中だ。
……若いっていいなぁ~。
「おいおい、なにジジィみたいなこと言ってんだよ。オレ達だって青春真っ盛りだろ?」
「言ってないからな?お前が勝手に俺の心を読んだんだからな?わかってんのか魁斗」
「難しくてわかんないなー(笑)」
「貴様ッ……!」
今話し掛けて来たのは隣の席の、
二宮 魁斗[ニノミヤ カイト]だ。
コイツとは中等部からの友達で、口に出して言うのは恥ずかしいが、俺は勝手に親友だと思ってる。
簡単に魁斗の紹介をしようとすると、頭脳明晰・容姿端麗という2つの言葉で終了だ。
ついでに生徒会会計。
ちなみに、高等部トップクラスのイケメンで、去年の学祭で開かれたミスコンではぶっちぎりの1位を取りやがった。
え?「お前は出なかったのか?」だって?
確かに最初は周りが「良い勝負になるんじゃない?」みたいなかんじで煽るから、少し乗り気にはなったよ?
でもね、誰が好き好んでわざわざ負ける勝負に出て、大勢の前で恥をかきに行くものか。
当日、やっぱり俺は家でネトゲやってましたとも。
「ねぇ、半目でジッとコッチを睨むの止めてくれないかな」
「うるせぇ男の敵、お前も俺のような目に会え」
俺のような目というのは、殺気を垂れ流しの男共に追いかけ回されることな。
魁斗に悪態をついた瞬間、何かが俺の眉間に直撃し、頭が後ろにはじけた。
そんな、状況が理解できてない俺に追撃の声。
「うるせぇのはお前だ、七海恭助副会長。次騒いだら、チョークじゃなく窓から放り投げるからな」
殺人予告キターー(゜∀゜)ーー!!
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