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「あら、なんだか元気ないわね。」 こういうときって、お母さん目敏いんだよね。 「学校で何かあったのかしら?」 そして、何故か嬉しそう…。 「別に、なにも。」 「……ふーん、恋煩いか。」 …ぎくっ。 恋煩い。 その言葉に一瞬だけど、肩が震えた気がした。 「ち、違う!!そんなんじゃ…」 「あらやだ、図星ちゃんねー。」 お母さんは、一人でキャッキャと騒いでいる。 「ごちそうさま!行ってきます!!」 わたしは立ち上がり、足下に置いていた鞄を引っ掴んで足早に立ち去った。 「ちょ、こんなに残して!お腹空くわよ!!」 朝からご機嫌な母の声を無視し、わたしは家を出た。
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