三女-文の脅迫

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今日は、イツです。 漢字で書くと、乙です。 今日は学校が振替休日なので、久しぶりに自室でダラダラと漫画を読んでいる。 ヤヨイは友達と遊びに行ってるし、チトセは部活、アヤは…学校が学級閉鎖を起こしたとかで家にはいるのだが、相変わらず自室に引き込もって小説を読みふけってるらしい。 アヤは無口で日中はほとんど喋らない、喋るとしたら日常最低限の挨拶くらいだ。 学校ではちゃんと友達がいるのだろうか? 家と一緒で本ばっかり読んでるんじゃないのか? 兄としては、いろいろ心配で仕方ない。 『コン…コン』 不意に自室の木製ドアを誰かがノックする。 誰かと言っても今の状況では限られている。 「どうした、アヤ?」 僕の声を聞くと、アヤは扉をガチャリと開けて相変わらず眠たそうな顔をしながら部屋に入ってきた。 アヤが僕の部屋に来る時は、余程の事ではない限りあり得ない。 顔から察するに… と言いたい所だが、アヤは常に寝起きのような表情をしているので、正直まったくわからない。 「…人生相談」 「いきなり何を言うかと思えば、どこかのエロゲをこよなく愛する妹のような事をいうな!!」 「…ジョーク」 「で、本当の所はなんのようだ?」 そう言うと、アヤは少し黙り込み。 僕の部屋をキョロキョロ見たかと思うと、意を決したらしく口をひらく。 「欲しい本がある… だが、財布に春がこない」 「すなわち?」 「早急に、お小遣いを要求する。」 「却下」 満面の笑み付きの即答で返事をすると、アヤは小さな頬をリスのように膨らしながら「けち」と言って剥れる。 なにも僕は頭ごなしに断ってる訳ではない。 前にもいったが、僕はバイトをしている。
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