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「ただいま」
そう言うと、台所の方から『お帰りー』と言う弥生の返事が返ってきた。
成宮家では挨拶を大事にしているからな。
しかし、さっきから不思議に思っていたのだが何故、和室に放置してたはずのパソコンが目の前のテーブルの上にあるんだ?
ヤヨイは確か僕と同じで機械音痴のはず…
チトセは部活だし、アヤは引きこもりだし…。
何でだ?!
まぁ、そんな事はどうでもいい話か。
『カチ…ウィーン』
目の前の科学の結晶が、スイッチ一つ押しただけで何やらすごい機械音をたてて動きだす。
その音に僕は驚いて一歩後ろにひいてしまった。
完全に起動したのを見て、インターネットをひらいてみる。
いくら機械音痴の僕でもパソコンの基本的作業くらいできるさ。
慣れない手つきでキーボードをちまちまと叩いてみる。
『あ』……?!
『ま』………!!
『え』!!?
『せ』……
1日で我が家のパソコンが救いようのないド変態になりました。
犯人のおよその示しはついている…
あら不思議。さっきから台所の方からチラチラとこっちを覗く女の子がいるではないか…。
「やぁよぉいぃー!!」
「わ、わわ私じゃないわよー!!」
「じゃあお前以外に誰がいるんだ?」
「…アヤ…とか?」
「アヤは土曜日は絶対部屋に引きこもって、溜め込んだ小説を読みふけっているのは知ってるだろ?
もう、あとはないぜ?」
「くっ…
さては…兄ちゃんだなぁああ!!」
「とんだ濡れ衣だよ!!」
「この、変態兄が!!
パソコンを自分の欲求の為に使うなんて…本当信じられない!
その上、自分が犯した罪を認めないなんて…そんな人は夜ご飯抜きよ!!」
…え?…ん?…あれー
「…あ、はい。ごめんなさい…以後気をつけます。
すき焼き食べたいです。」
「うむ、よろしい!」
なぜだろう…納得がいかない…。
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