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「あ~……不安」
校庭に移動する途中、私は小さく呟いた。
これから行われるのは召喚儀。自分の血によって相応しい使い魔が召喚される。
私は勉強はそこそこできるけど、魔術に関してはほとんどダメ。使い魔は魔術が得意な人間ほど、つまりリアを扱うのが得意な人ほど強力な使い魔が現れると言われている。
私は……何が出てくるんだろう。
「レーミ! どうしたの?」
「あ、ソフィ……」
後ろからソフィが肩を抱いてきた。彼女はソフィ。私の親友だ。
レミと呼ばれたのは私。ここ、王立魔法学園高等学院に通っている普通の女の子だ。
……まぁ成績は普通以下だけど。特に魔術に関しては学年でも最下位だ。
「私の使い魔……不安で」
「あ~、レミは魔術苦手だもんね~」
「うん。スライムとかだったらどうしよう……」
スライムは使い魔の中でも最下級に分類される。先生に聞くと、過去にも2人しかスライムを召喚した者はいないらしい。
そして補足だが、過去の2人はいずれも学院を辞めたとか……
「大丈夫だって! レミは心配しすぎ!」
「そうかなぁ……」
「そ! ほら、行くよ!」
「あ、待ってよ~」
不安が全く解消されない状態で、私とソフィは校庭に向かった。
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