U.C.0079.12.30-31.

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「ミラン・マグナル中佐、遅くなりました」 ブリーフィングルームには15名程の佐官が丸いテーブルを囲んで座っていた。 「非番だったそうだな、だが勘弁してもらうぞ。非常事態だ」 ガディオン・ソドム大佐が蓄えた髭を触りながらそう言った。 「えぇ、わかっております。それで?」 マルキン少佐が持っていたペンでテーブルを二度程叩く。 彼の癖なのだ。 「上層部の方でも、このタイミングだろうとの判断です」 やはりな…ここで攻めなければ、戦いは長引くだけ…。 連邦軍も我がジオンも疲弊し切っている…。 「徹底抗戦の構えを取るしかないな」 ガディオン大佐の体重で乾いた音を立てて軋む椅子。 「総力戦になりますね…キシリア少将のキマイラ隊も戦闘準備に入ります」 再び聞こえるペンの叩く音。 「キマイラ隊…!ライデンの所のエリート部隊か!」 脳裏に浮かぶ紅く染まったMS。 キマイラ隊のジョニー・ライデンと言えば、知らぬ者はいない程のエリートパイロットだ。 「カスペン大佐の第603技術試験隊…いえ、戦闘大隊も新型MAの調整が済み次第配備されるとの事です」 「ビグロの改修機…だったな。カスペンの部隊か…603の連中も、厄介な人間を当てられたものだ」 ガディオン大佐が目を閉じ、溜め息を吐いた。
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