プロローグ

2/3
前へ
/763ページ
次へ
何も出来ないまま、ただ立ち尽くす。 彼女がいつもと同じのように言った 「バイバイ」 が、耳に残ってなかなか離れていかない。 『またね』は無いんだ。 そりゃそうだ。今さっき別れたんだっけ。3月、卒業式。  中学卒業と同時にお別れ。 まぁ、何をした訳でもなく休みに一緒に映画を見に行ったり、 たまに手を繋いだり、 いたずらにキスしてみたり。 簡単な事で頬を赤く染める彼女がたぶん好きだった。 その位の関係。 別々の高校に進学するし、彼女から別れを告げられても納得出来た。 思ったほどショックでも無かった。
/763ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2848人が本棚に入れています
本棚に追加