ﾍｳﾞｨｰｵﾌﾞｼﾞｪｸﾄ 反逆の罪

序章

結局、この世からは戦争はなくならない。

それを身を持って知らされたのは、
意外と最近のことだった。

圧倒的な兵器が生まれれば、誰も戦争をしたくなくなる。

そう信じて疑わず今まで頑張ってきた。

しかし、それは新たな火種を作るだけだった。

確かに、圧倒的な兵器が存在していれば、
それが抑止力となり“一時的”に戦争は収まる。

しかしそれは、実現不可能な兵器で、
なおかつ人が扱えるような代物でなければの話だ。

作れるなら作りたい。
従わせられるなら従わせたい。
それが人間の単純かつ難解な性質のひとつだ。

結果、世界中にその兵器が現れ、今もなお戦争は続いている。

『オブジェクト』という、人間の造りだした化け物を携えて……――。