3人が本棚に入れています
本棚に追加
だが、彼女は余裕の笑みを浮かべ、竹刀を振り被って向かってくる戦闘員を、金属バットで殴り倒していく。
「こんな戦闘員括弧笑では、私は倒せないわよ?」
ケロリンは、金属バットをブンブン振り回し、戦闘員達を地面に叩きつけ、無駄ヅモーに迫っていく。
「仕方ないヅモ。なら、私も本気でいかせてもらうヅモ!!」
無駄ヅモーは、スーツの胸ポケットに入っていたサングラスを着け、雄叫びを上げる。
それと同時に、スーツのジャケットや、中に着ていたカッターシャツが破け散り、無駄ヅモーの強靭が肉体が露わになった。
「サングラスを着けただけなのに……パワーが三倍になったなんて!?」
ケロリンは金属バットを握りしめる。
「ふはははは!! 降参するなら今の内ヅモ」
無駄ヅモーは腕を組み、仁王立ちする。
「そんなの……するわけないじゃない!」
金属バットを腰の位置で構え、ケロリンは駆け出した。
「頭カチ割れろ!!」
ハードヘッドショット!!!
凄まじい衝撃と共に、金属バットが無駄ヅモーを一閃した。――――と、思いきや、それは彼の腕に阻まれ、傷一つ付けることなく静止していた。
「その程度の攻撃など効かぬヅモ」
そして、振り上げられた拳がケロリンを突き飛ばした。
「きゃああああああ!!」
ケロリンは数十メートル吹き飛ばされ、突き当りにあったビルの壁に打ち付けられた。
幸い、コスチュームから自動展開されたオートケロシールドによって、無駄ヅモーの強烈な一撃は直撃を免れたものの、変身継続時間を示すエムピーが大幅に消費されてしまった。
「くぅ……」
ケロリンは下唇を噛み締め、ふらつきながらも立ち上がる。
「ほぅ……まだやるヅモ?」
壁に打ち付けられたダメージで、目の前に立つ無駄ヅモーが霞んで見えるほど、ケロリンは昏睡していた。
だが、それでも彼女は諦めない。
いや、諦めることが出来なかったのである。
日本中の雀士が麻雀を楽しめなくなってしまえば、やがて麻雀をする人が少なくなり、最終的には麻雀が滅んでしまう。
そんな未来の方が、彼女には耐えられないものであった。
故に、痛む体に鞭を打ち、彼女は立ち上がった。
だが、金属バットを杖に立っているだけが精一杯で、とても反撃出来るような状態ではなかった。
「私は、負けない……」
最初のコメントを投稿しよう!