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観客が一斉に私のいる出口に視線を向ける。
…なんで分かったの?
目立たないようにしてたのに。
そう思っていると、ステージから敦稀が飛び降り、どんどん近づいてきた。
私の目の前まで来ると、敦稀は私を抱き寄せた。
「距離なんておかない。絶対に離さない。」
敦稀は私の耳元でそう言った。
そのまま私を抱き上げるとステージに戻る。
突然の事に頭がついていかない…。
やっと気づいたときには私はステージの上にいた。
「ちょっと、敦稀!どういうつもり!?」
『皆さんに紹介します!俺の彼女の柑那です!』
敦稀はマイクを通して言ってしまった。
『ええぇぇ~!!』
観客席からは批判の声や悲鳴などが聞こえてくる。
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