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「それは聞かねーお約束だろうが。おら進むぞ。」
開けた道を進む。
敵本陣に足を踏み入れた。
「…よお、来てやったぜ。」
碇を肩に担ぐ。
ガシャリと鎖が音を立てる。
「…ふん。わざわざ倒されに来るとは、手間が省けたわ。」
緑を基調にした鎧に、鋭い眼光。
戦国一の知将と賞される武人の姿がそこにあった。
「…あいつが、毛利元就か。」
「お前等は他の奴らの相手をしていてくれ。」
一歩前に出る。
「言われなくとも!元親殿、頑張って下され!」
「それこそ言われなくとも、だ。」
対峙する。
二人の関係は政宗と幸村のような、好敵手とは言えない。
だからだろうか。
二人の居るその場だけがとても、静かだった。
「さっさと始めようぜ。」
「貴様に言われるまでもない。…我は毛利元就!日輪の申し子にして瀬戸内の主なり!」
両大将が戦いを始める。
幸村と政宗はある程度敵の数を減らすと、二人の戦いを見つめていた。
互いに一歩も譲らぬ攻防。
力ある元親の攻撃を、元就はしなやかに流す。
「今なら、愛達を呼んでもいいかもしれねぇ…。」
「そうで御座るな。」
そう思っていた矢先。
「…そろそろ頃合いか。」
「あ…?何だって…?」
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