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「でも祐二は合宿だけだから冬休み中はずっと家に居ないってわけじゃないんじゃ?」
「ああ、俺は合宿の後に母さん達と合流することになってるから」
え、マジで?
「じゃあお‥わたしも母さんの所に「それはダメよ」なんでさ?」
「だって秋子ちゃんと約束しちゃったから☆」
………可愛くウインクする母さんにこれ以上食い下がることは無理だと諦める。ああいうノリになると俺がなんと言おうと聞く耳もたないからだ
「まあ諦めろ、姉ちゃん」
「誰が姉ちゃんだ!!」
俺はもはやお決まりになった反論を愚弟に言う…まったく。
「とにかく、よろしく頼むわね~」
母さんが朗らかに笑う。…やれやれ仕方ない、久しぶりに秋子さんと名雪さんに会うのも悪くないか
ということがあり、荷物を纏め旅立ったのが今日の昼前。…だが迎えに来るはずの人が未だに来ないのはどうしたものか…
「雪、凄い積もっているよ」
「そりゃあ二時間も待ってればね」
唐突に頭上から聞こえた声。その特徴的な口調に俺は小さく溜め息を尽きながら答える。視線を上げると随分会っていないが幼い頃の面影を多分に残した目的の人物が覗き込んでいた
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