ココロ使い

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次はままごとをしている女の子に話しかけた。 多分子どもながらにタイプだったのだろう。 口に出すのは気恥ずかしかったらしく、『僕の事を好きになって』と触れながら念じると「クウ君好きー」と抱きついてくれた。 恐らく彼女なりに、精一杯の愛情表現だったのだろう。 この光景を見ていた先生は、流石に首を傾げていたのを覚えている。 ここまで来れば、いかに幼くても、自分のやっている事と、できることに気づき始めていた。 「僕は人の心を操れる」 小学校に行く前から、僕は友達を100人以上作っていた。 子どもは限度を知らないからこそ恐ろしい。 幾ら何でも母さんを始め、大人達が気味悪く感じていたのが、当時の僕でも理解できた。 口では何も言わなかったが、色々と調べていたらしい。催眠術や暗示、果ては超能力まで。 勿論加減を知った今では、そんなへまはしない。 それに通じ逢えるのは最初だけで、その後の関係は僕の努力の結果だ。 小学生になるともやは僕が成長するにつれ、よりはっきりと見えるようになっていった。中学生になる頃には、体を包むシャボンね様に見える。 勿論反省した今では、せいぜい無理の無い範囲での感情操作や、ちょっとした印象操作しかしていない。そして僕のシャボン、ココロは一メートル位まで伸ばせる様になった。 その頃に見たSF映画に因んで、この力をこっそり「フォース」と呼ぶことにした。
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