2人が本棚に入れています
本棚に追加
「エルヴェはいつも、突然僕の前に現れるね」
「それは、こっちのセリフ」
「嘘言うな。君が先に会いたくて出てきてるんだろう?」
「残念、淋しがりは君の方」
笑うエルヴェを置いて僕は立ち上がった。
「なんだよ、もう行くのか?」
「一緒にお茶でも飲まないか?オレンジペコーを入れてくる」
「いいのか?戻ったら、きっと、僕はいないよ」
「それでも、また来るんだろう?」
僕は片手を上げて家の方へ向う。
彼の声が追いかけてきた。
「天邪鬼め。その紅茶を買ったのは僕だぞ?CD気に入らないなら、返せよ」
「君に返しても、意味ないし」
僕は笑った。エルヴェの不服そうな声がまだ少し聞こえた。
最初のコメントを投稿しよう!