-僕は白い家に住んでいる-

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 僕は白い家に住んでいる。無機質で硬質な、でもそっけなくはない四角い二階建ての家だ。僕はそこに一人で住んでいる。  朝起きると、僕は階段を下り、ダイニングを抜けた先のリビングへ行き、薄緑とレースのカーテンのかかった窓の前に置かれたサボテンに挨拶をする。  サボテンは、小さな机の上にちょこんと乗っている。とげとげしているくせに、まあるくて、どこかかまって欲しいような視線をおくってくる、なかなか可愛いやつだ。  僕はそいつが好きだから、こうして毎朝挨拶をする。そうすると、おはよう、と、心の中で返事が返ってくる。    今日は天気が良いので、窓を開けて換気をしてやることにした。 僕のノートのペーパーウェイトの仕事も時々してくれるから、これくらいはしてあげないと。
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