-僕は白い家に住んでいる-

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 僕の世界は、こうして、昼間存在している。朝始まり、日が沈む頃はわからない。  僕は、日の光の中で生きている。  誰かに、会うこともない。    僕が、この曲をサティだと知っているのは、僕の家にそのCDがあったからで、紅茶がアールグレイだとわかるのは、そうパッケージに書いてあるからだ。  僕は朝起きて、サボテンに挨拶をし、朝食を作り、家の掃除をし、洗濯をし、庭に水遣りをする。剪定もする。    それが終わったら、リビングの窓際の机で少し思ったことをノートにつづり、二階にあるたくさんの本を読んだり、外を眺めたり、少し歩いたりする。  仕事をしているような気はしない。  僕は、家のことをするけれど、お金を稼ぐようなことはしていない。買い物に出かけることも、ない。  誰にも、会っていないのだから。    けれど、家には、きちんと冷蔵庫に、いつも食料がある。生活には、少しも、困らない。    何故だろう。  わからない。    僕の生活は朝から始まり、終わる頃は、覚えていない。そして、また朝から始まる。    僕は、日の光の中で生きている。
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