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一瞬光りに包まれ、なんの抵抗もなく、桜の木の幹の中へと体が入っていく。
あまりの光に目をつぶり、ゆっくり目を開けるとそこにはさっきと同じ、八木邸の庭が見えた。
違うのは、真っ暗だったはずの周りは明るい日の照った庭だった。
振り返るとさっきの桜より少しこぶりの満開の桜だった。
私は深呼吸して、誰もいない庭から彼を呼んだ。
「土方さ~ん!!!」
なんのためらいもなく、大きな声をあげたのだ。
「誰だお前!?
どーやってここに入った!?」
声の主は先程まで一緒にいた土方さんより、少し若いその人だった。
「土方さん。新選組を守りに来ました。手紙、ってか文読んで貰えますか??
読んでもらわなきゃこまるんですけどね」
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