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信じてくれた事にホッとしながら、土方さんが出て行った後、私は荷物の整理をして、資料に目を通しながらどこから説明していくかを考えていた。
あっ袴用意してきたけど着替えた方がいいかな??
思いついた私は持ってきた袴に着替えた。
持ってきた袴は着物屋さんに頼んで少し着やすい様に改良してもらった。
紐が伊達になって、腰はゴムが入っている。
まっ履くだけで良い様に。
中に着る着物も合わせ部分に内ボタンをつけてもらった。
これなら服感覚で私にも着れる。
グレーと黒と焦茶各一枚の袴
黒と紫とグレーの着物各一枚
女物の小紋を1枚浴衣を2枚持って来てある。
今回の準備に夏のボーナスどころか貯金も半分ほど消えてしまった。
思い出しても泣きたくなるだけなので、いっその事忘れようと心に決めた。
とりあえず黒の袴に紫の着物に着替えて部屋で待っていた。
土方さんが用意してくれた部屋は少し広め。
両サイドは襖で仕切られているだけの部屋。
1、2、3、4……6畳の部屋に押し入れが1つ。
中には布団が一組と座布団が3枚。
着物や小物を収納する用の籠の入れ物が2つ。
うん。
これならなんとかしまえそうだ。
「副長に案内するように言われた。今からでかまわないか?」
廊下からお呼びがかかった。
私は襖を開け廊下にいる人物を見た。
黒の着流しに右に刀……。
「斎藤さん、ありがとうございます。
案内していただけますか?」
私がそう言うと彼は目を見開いた。
「なぜ俺の名を!?」
「斎藤さんだけじゃなく広間にいる皆さんの名前を知ってます」
「詳しいことは後で聞く」
斎藤さんはそう言うと足早に広間へと案内してくれた。
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