プロローグ

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「あ~!! もう嫌!!」 大欠伸をしながら伸びをして、壁にある時計を確認すると深夜1時。 まわりを見渡しても他の机には誰もいない。 ただがらんとしたオフィスが広がっているだけだった。 新入職社員の新人オリエンテーション資料作りに、新規立ち上げの準備。 そのおかげでここ数日大幅な残業が続いていた。 「マジですか……帰ろ」 いそいそと机の上の書類を片付け、PCの電源を落とし帰る準備をした。 疲れと眠気でショボショボする目をこすりながら車に乗り込み車を自宅に向かって進めた。 さすがに深夜1時過ぎ。 車は数台すれ違うだけで、コンビニに寄るのも面倒でやめた。 高校を卒業し、自動車関係の某会社に派遣で入り、5年前社員になり、今現在品質管理課でチーフになった。 友達は中学時代の後輩や高校時代の同級生、会社の同僚……。 特に多いわけでもなく。 家族は医療関係の両親。 兄弟なし。 今は会社のから車で20分くらいのアパートで一人暮らし中。 特にこれと言って特徴があるわけでもない、至って平凡な人生を27年歩んできた。 そんな私の人生最大の事件が起きたのはこの5分後だった……
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