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「山南さんはいいよ、ちょこちょこ芽衣実に会えたんだからさ。」
拗ねた顔で平助がそう言うといつからいたのか一君の声がした。
「お前も一度島原で会ってるだろ。」
「え??島原?」
「そうだぞ平助。
俺と土方さん達と一緒に行ったじゃねーか。」
「・・・。
えぇぇぇ~~~!!!」
左之にも言われて何かを思い出すように考え込んだ平助は驚いた様に大きな声で叫んだ。
「芽衣実は桜花だ。
でなければ俺が島原で女など買うわけがないだろう。」
「そう言う事♪」
そう言ってウインクをすると平助はなぜか安心した様に胸に手を当てほっとした顔をしていた。
「良かった~。
俺はまた芽衣実に裏切られて一君が浮気って言うか他の女に走ったんだとばっかり・・・。」
その心配に思わずその場にいた皆が声をあげて笑った。
「馬鹿野郎、そんな女に俺や左之がわざわざ会いに行くとでも思ってたのか。」
土方さんは盛大にため息をついた。
「だって土方さん達あの時『あの斎藤が入れあげてるらしい女見に行かないか?』って言ってたからさ。」
「あら、それを信じるくらい私綺麗やった?」
「綺麗だったけど、それより一君とべったりだったから見てるこっちが恥ずかしかった・・・。」
「平助真っ赤になってたもんな。」
意地悪そうに平助を覗き込む左之に、平助は思い出したように赤くなっていた。
「さ、皆さん大事なお話があるんですからもう部屋に入って下さい。」
手を叩き今度こそ皆を部屋に入れようと、笑っていても背後に真っ黒い何かを漂わす山南さん。
そのの姿に全員が慌てて部屋に入った。
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