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夢を見た。
皆が私を呼ぶ声が遠くで聞こえる。
私はただ真っ暗な足もとも、自分の手すらも見えない暗闇の中で、たった一枚の写真だけが自ら光を放つように浮かんでいる。
手に取るとそこには新撰組幹部の皆が写っていた。
私の大好きな笑顔。
そして私も一緒に笑っている。
でもその写真は今よりももう少し皆大人びていた。
この先の未来の写真なんだろうか?
私は一体皆をどこでこの戊辰戦争から退くせるつもりなんだろうか?
江戸無血開城?
宇都宮城?
白河口?
箱館?
どうしたいの??
時代はどんどん激しく荒れて行くのに。
私には皆を守る・皆で明治の世を生きるって約束がある。
誰も死なせたくない。
ねぇ?土方さん。
貴方はどうしたい?
どこまで貴方達の意思を尊重すればいい?
お願い、教えて。
貴方はこの過去でどこで選択を誤ったと思ったの?
本当はどこで引くべきだと思ったの?
手にした写真の中の土方さんに語りかけても答えは返ってこなかった。
それでも私は、語りかけずにはいられなかった。
すでに多くの歴史が変えられている。
この私は皆を護る為に誰と組めばいいの??
大久保さん?木戸さん?
伊藤さん?榎本さん?松本先生?
選択枠が多すぎて選べないよ・・・
でも本当は戊辰戦争なんて参加して欲しくない。
これ以上傷つくのを見たくない。
それでもきっと皆は飛び込んで行くんだろうな。
だからせめて、その名が歴史に残るギリギリのところまでにしよう。
そこで自分の命と引き換えてでも退かせよう。
なんだか頭がすっきりするなぁ~。
今なら色んな案が浮かびそう・・・
でもさっきから誰かが読んでる気がするな。
誰だろう?
私なんでこんな真っ暗な所にいるんだろう?
あ~そうか、武田に刺されたんやった。
一君無事で良かったな。
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