未来の君へ

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ここはどこ? 辺り一面漆黒の闇に包まれている。 ここから逃げ出したい。 そう思えば思うほど私の身体は闇に呑まれてゆく。 嫌だ呑まれたくない。 私は必死にもがいた。 そんなことをしている間にも闇は私を取り込んでゆく。 もうだめかと思った刹那、突然闇の中に一筋の光が現れる。 私はその光を掴もうと必死に手を伸ばす。 届きそうで届かないその光。 あと少し、あと少しで届くのに。 届け! 突然、その光が広がり闇を覆ったと思いきや私の頭を鈍い痛みが襲った。 「はっ!」 視界が明るくなり辺りがはっきりした。 そして真っ先に私の目に映ったのは数学の先生だった。 「ハー、またか木々奈」
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