未来の君へ

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「藤本?私もう帰るけどあんたまだ居んの?」 私は話し掛けたくなかったけど渋々話し掛けた。 「ウ~ン…もう5時か。俺もそろそろ帰ろうかな」 そう言うと藤本は立ち上がり続けた。 「俺鍵閉めるからお前、先出ろよ」 「……分かった」 早く先生にレポート出して帰ろっと。 「木々奈……」 「何?」 教室から出ようとした私に藤本は小さな声で言った。 「気をつけて帰れよ」 何いきなり?キモッ! 私はそれを無視して教室を後にした。 気をつけて帰れよって何? ホントあいつは分からない。 まさかあいつ、私に下心でもあるの? ……ないか。 まあ気をつけて帰れよなんて決まり文句みたいなもんだし、気にすることでもないか。
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