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父さんは変わった。
日に日に俺をみんなと同じような目で、態度をとるようになった。
俺の居場所はなくなった。
そう感じながら俺は中学の頃、必死に勉強に励んだ。虐めに耐えながら必死に。
寮のある高校へ行こうと。特待生になって色々と特典の付いている所を入学しようと。
なのに、中3の時それは呆気なく幕を閉じる。
義弟。同い年の可威が言った一言で。
『ヒロ兄と同じ高校行きたい!俺、砂威兄と同じ所行くからヒロ兄もそこ受けよう。受ける予定だろ?』
あたかも、俺の予定を知っていたかのように決めつける。
親は渋る俺を説得し始め、段々と説得は命令となって行った。
『可威が言っているんだから』
と、もう、馬鹿馬鹿しくなったのは言うまでもない。
断れない事になっている事に気が付いているんだから。
面倒くさい。
中学の教師だって、可威の虜だ。いくら有名私立に行こうとしていて、その成績があったと知っていても可威の喜ぶ事を進んでやる馬鹿な教師。
そうして、俺は行きたかった高校を捨て、今通っている、普通の何の楽しみもない、上の大学推薦も持っていない高校に進んだ。
虐めも継続中。
弟と兄のせいで。
その信者たちに。
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