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Side.広樹
週末。
俺の風邪は完治した。
時々、咳がちょっと出るけど、完治した。
俺が休養している時、電話で失礼だけど全部のバイト先に辞めると報告したのは記憶に新しい。
何故か知らないけど、真人さんが連絡先を教えてくれたんだよな。
怒られる怒鳴られる呆れられる。
そう思っていたのに、全部のバイト先の店長たちはとってもいい人達ばかりだった。
全員、初めは呆れたようにこう言う時の対応を説教してきたけど最後には「お前が笑っているならそれでいいけど」と言ってくれた。
店長たち、いや、バイトの全員。
俺の怪我の事心配してくれていたってこと。
ナナ……は。
まだ、連絡が出来ていない。
店長から聞いているかもしれないけど、どう言えばいいのか分からない。
真人さんがナナと会った事あるって言うから、辞めた、引っ越したとか聞いたら真人さんと居るって分かってくれるかな。
「ヒロ~。準備できたか?」
「カズさん。うん、今行く」
と言うか、携帯番号を入れた携帯をあの人が壊しちゃったから連絡しようにもできないってだけなんだけど。
「広樹、忘れ物ないな」
「無いよ。何も持つもの無いもん」
「お前、一言多い。…まぁ、これから持ちもん買いに行くけど」
「え?」
「カズ、出発」
何だ?今の言葉。
買い物に行くのは分かる。
けど、……ん?
訳が分からないまま、真人さんの車(カズさん運転)で何処かへ連れて行かれた
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