涙とその後

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真人さんとカズさんの喋ってるの聞いてるとやっぱり面白いな。 ヘタレ?って言うのかな?カズさんっての。 真人さんは綺麗にカズさんの言葉をかわすし。 そんな2人を見ていた時だった。 「あれ、マサさんとカズ先生じゃん!」 「うわぁ。デートっすか?」 如何にも不良って奴らがやってきた。 てか、何で居る。 いや、一般人で買い物しに来たのか。 落ち着け。 今、2人の名前呼んだ。 だから、2人の知り合いだと思う。 落ち着け。 俺。 「お前ら、補習あんじゃねぇのか?」 「サボ…コホンッ、ちゃんと受けてきましたー」 「嘘つけ」 落ち着け。 震えるな! 俺は、震えている左手を震える右手で抑え込む。 効果は無い。 けど、震えを止めようと必死だった。 違う。 こいつらは、違う。 違う、 大丈夫。 「広樹?」 「あん?誰っすか?こいつ」 「っ!」 目の前に金髪ピアスの強面の不良。 声にならない悲鳴を上げ、後ずさる。 違うって分かっているのに……。 解放されたって気持ちが真人さんの所へ来てからでてから、俺弱くなってる。 怖いと。 恐怖体験を思い出して大丈夫だった事が前より大丈夫じゃなくなっている。    
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