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で、だ。
飯を食い終わった俺ら。
カズは死にかけ。
だが、本題と行きますか。
「広樹こっちに来い」
「ん、何?」
ソファーに座らせ俺は鞄にしまった書類を出す。
それに広樹は何かときょとんとした顔をする。
「これは、転校手続きだ。広樹学校行きたくないか?」
「え?……えっと」
「金の心配なら要らない。俺が全部出してやる」
「な、そんなのダメだよ!ここに住まわせてもらってるのにそこまで……。俺、行きたいけど、そんな事まで頼れない」
バッと両手を自分の前に出して拒否する広樹。
けど、俺はその手を握り締め降ろす。
広樹の目をみて、俺はもう一度言った。
「我慢しなくていい。お前ひとりくらい何とでもなる。俺は遣りたい事をやっていいと言いたいんだ」
「でも、……俺……」
「怖いか?」
ビクッと体を揺らす。
広樹のとって学校はいい思い出がないと思う。いや、無いのだ。
全てあの兄弟と一緒になって、虐めを全て受けていた。
そんな悲しい感情のままで居させたくない。
「俺はお前に学校に行って欲しい。行って、友達を作って楽しく過ごしてほしいんだ」
「っ……」
「広樹、もう大丈夫だ。前の学校とは全然違う。あの兄弟の息のかかった奴のいない所だ」
「でも、」
「ヒロ、俺は同い年の友達と遊んでいる楽しそうなヒロをみたい。作ってやりたい。心配しなくても大丈夫だ。俺やカズがいる。その他にも沢山」
俺らの同期の奴らが。
広樹には沢山仲間がいる。
「ヒロー、俺の学校に来るのそんなに嫌なんか?」
その時、復活したのかカズがソファーの背もたれに手を付き広樹を覗き込みそう言った。
「カズさんの、学校」
「そーそー、この西ノ宮高校は俺の出身兼職務先の学校だ」
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