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「………」
「………」
お互い、暫く黙って向かい合っていたが、先に動いたのは夜鷹だった。
取り敢えず、とでも言うように一度視線を落とせばそのまま目の前にある甘味を食べ始める。
それを見た少年もまた、同じく甘味を食べ始めたのだった。
それから、暫く経った頃。
恐らくそれほどは経ってないだろう。
漸く一段落ついたのか、お茶を飲みながら夜鷹は目の前に居る少年を見た。
「……はじめまして?」
夜鷹が一言そう言えば、その少年も同じく言葉を返す。
一度間が空き、突然向かい合っていた夜鷹は分かるか分からないか微妙な程に些細な変化だったが、口角を上げればふふふと微笑んだようだった。
だが、夜鷹の目の前の少年はその変化に気付いたようで、その少年もまた微笑んでみせた。
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