花と水

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「てめぇは人斬りになった自分を見られるのが嫌で嫌で仕方がない、そうだろ?なぁ?総司」 そうだよ、その通りだよ、わかるならなぜ、彼女を呼んだんだ。 「....」 「歳、言い過ぎじゃないか?」 いつも土方さんはそうだ、 どれだけ僕が大切に思っているか知っていて 全てを奪い取っていくんだ 近藤さんも...姉上も... 夜桜も。 みんなみんな僕の隣から奪って... 「分かっているんでしょう?...僕がどれだけ彼女を大切に思っているか...!!どんな思いで彼女を江戸に置いてきたか...!! .....嫌われることがどれだけ怖いか...」 言い終わって土方さんの方を向いた時 彼はちっともこちらを向いていなかった 僕は腹が立ったので文句を言おうとしたが...やめた 文句を言うより先に、土方さんの目線の先の障子に映る人影に気づいたから。 土方さんはその人に言った。 「そろそろ入ってもいいんじゃねえか」 すると障子の影が戸惑うように動いて静かに障子を開けた 「し、失礼します...」 「な、面白いもん見れただろ?」 入ってきたのは、 夜桜?
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