花と水

16/20
前へ
/77ページ
次へ
「でも...よかった」 「え?」 何がよかったのか意味がわからず、聞き返すと 思わぬ返事が帰ってきた。 「嫌われてるんじゃないかって思ってたんです」 もちろん僕は夜桜のことを毛頭も嫌っていない。 それになぜかそう思われていたのが悲しくて腹が立った。 「なんで?」 「あ....いやその、文をだすねって言ってくれたのに、くれなかったから...」 「あ....」 確かに僕は言った、江戸を出てくるとき、 『不安?だったら、僕文を書くから』 そう言った、 『ありがとうそうちゃん、待ってるよ』 僕の文を待っていてくれたのかな、 そしたら、送らなかった僕は...最低だ 「ここへも呼んでくれなくて、嫌われてるのかなって....」 「違う!!」 僕は君を一人にしたかった訳じゃない。
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加