31人が本棚に入れています
本棚に追加
そこから、彼女は僕らの仲間となって天然理心流に入門した。
あとから聞いたのだが、
彼女は遊女達の蔓延る遊郭から逃げ出して来たそうだ。
禿として働いていた彼女は周りの女たちに苛められていたらしい。
僕は一度だけ彼女に何をされたのか聞いたことがある。
そのとき彼女は、震えて、泣いた。
そのあと僕はで近藤さんたちに怒られた、
だから僕はそれ以来聞いてない、
から、わからないけど、辛かったんだと思う。
それなのに聞くなんて馬鹿なことをしたなぁと思う。
あのときは何で怒られたのかわかんなかったし、何で泣いたのかもわかんなかった。
もちろん今ならわかる。
僕と出会った日は髪を斬られていた
女の子にとって髪の毛は大切なものだって聞いたことがある。
とにかく彼女の心には大きな傷がついていた
そして会津藩のもとで剣を振るうため京へ上洛するとき、彼女とは別れた。
江戸に置いてきたはず...だった..が...
最初のコメントを投稿しよう!