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「御堂、さんでしたっけ?」
「うん、そうだよ」
「じゃあ、どんな女性がタイプなんですか?」
女性らしいトーン
女とこんな恋愛話をするのは何ヶ月ぶりだろうか
少し新鮮に思うけれど、
"どんな女性がタイプ"か
その質問に少し詰まってしまう
「・・・俺は、普通でいいかな」
そう、普通。
もう、普通でいいんだ。
恋愛をするならば、の話。
「普通、ですか?」
その隣にいた女性が不思議とでも言うような顔をしている
「うん、普通。すっげぇ可愛いとか、すっげぇ美人とか、性格が女らしいとか、料理がうまいだとか、仕事がすっげぇデキるとか、・・・そういうのはいらないかな。普通でいい。・・・俺をずっと好きでいてくれれば何もいらねぇ。・・・飾りものなんて、俺はもういらない」
まるで、自分にいい聞かせるように
アイツのことを言っているかのように言ってしまった
言ったあとに、はっと気づく
(何、俺言ってんだろ。冗談でも嘘でもいいから、笑わす言葉一つ言ってねぇじゃん)
周りを見ると、誰も何も喋らない
部下はこっちを見たまんまだし、女性陣は口に手を当てている人もいる
(あー、やべ。やらかした。・・・なんか言わないと)
場の雰囲気を考えてなかった自分にへこんだが、とりあえずこの場をなんとかすることが、最優先。
「ま!でも、俺の意見だからな!お前等は若いんだから、いい女狙わないと損だぞー?」
(・・・帰りたい・・・)
そう思っていると、思いっきり肩が右半回転した
何が起こったか理解しようと、すると目の前には部下のどアップ
「へ・・・」
「御堂さん!!!アンタどんな人なんすか!!!どこまで、俺らを虜にすれば気が済むんすか!!!」
「へ・・・?」
(虜?虜って、なに?)
訳が分からない状態だけれど、周りはさっき以上に興奮状態になっていた
「もう、今の言葉やばい!!」
「~っ!!!かっこよすぎ」
女性陣はなんか評価してくれてるみたいだし、
部下達は俺にきらきらとした眩しい目で見てくれてくるし、
(・・・よかったのかな・・・)
こいつ等がいい意味で単純でよかった
その後は、なぜか俺の話ばかり出て俺はなんとも言えない気持ちになった
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