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「あー、今日はいい話が聞けた!!満足~!!」
「だよなぁ!」
「御堂さんみたいな人がうちの上司にだったらなぁ。この仕事が終わったら帰っちゃうもんなぁ?」
「あの、ハゲに教えてやりたいぜ・・・」
目の前で色々と言われているが、まぁありがたいことには変わりない
ちなみに、『ハゲ』というのは今のところの俺の上司にあたる人
理不尽極まりなく、女社員にはべたべたとする頭が可哀想な上司さん
「じゃあ、俺こいつ送ってくんで。お疲れさまっした!!また来週~」
それぞれが近い人を送っていくのは多分自然なことだろう
俺はとういと
近い人がいないらしく
誰も送らないことになった
(・・・女運が尽きたか)
そうならそうで、都合がいい
「じゃ、また来週からよろしくな」
そう言って解散。
俺もホテルへ帰ろうとホテルに行く道のりを歩く
すると、しばらく歩いていると後ろから誰かが走ってくるのが足音で分かった
自然に振り向くと、同席していた子だった
会話はしなかったけど、一応同席していたということで顔は覚えているつもりだ
「み、御堂さん!!!」
息を切らして、走りにくいヒールで俺の所まで来た
(え、何?俺?)
「え、どうしたの?」
息を整えて、乱れた服装も髪形も慌てて整える
そして、俺を見る
(なんだ、この感じ・・・)
少し苦手な雰囲気。
26も生きていればこの子が何を言うかぐらい予想がつく
自慢ではないけれど、女に困ったことはあまりない
だから、余計に予想がついてしまう
(どうしよ・・・)
「・・・っ、あのっ!あたし、南
愛理って言いますっ!」
「あ、どうもご丁寧に・・・」
そこまで丁寧かどうかは分からないけど、とりあえずこの子は緊張してるみたいなのが、俺にも伝わってしまって改まってしまった
「あの・・・っ!あたしを女として見てくれませんか!?」
(・・・そう来たか・・・)
と、告白もどきには変わりないんだろけどこういう風に言われたことがないので、素で思ってしまった――
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