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彼女の剣先が、山本の喉、突き垂れを的確に打ち抜いていた。声にならないうめきを上げてのけぞった山本は、そのまま床にひっくり返る。
突きは、危険だから中学生までは使用を禁じられている。だが今は高校生だから、突きもありなのだ。しかし慣れない突きを叩きこまれて、一年坊主はさぞ痛かろう。
「立て」
ひっくり返った山本に対し、梨花はまるで頓着しない。
「剣道ってのは三本勝負。先に二本とった方が勝ち。まだ残ってるぞ?」
首をかしげて梨花が覗きこむが、憐れ、山本は昏倒していた。
梨花はやれやれと息をつく。
そんな彼女と倒れ伏したいじめっ子を見て、狭霧はああやっぱり手加減してくれなかったと、梨花の大人気なさに落胆するのだった。
その後。
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