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翌朝。
昨日梨花に惨敗した三人が、体育館裏に呼び出された。
彼らの前には狭霧と、なぜか竹刀を持った梨花。
「全員来たな。じゃ、三人そろって土下座!」
「はぁ!?」
梨花のいきなりの命令に、素っ頓狂な声が三人から漏れる。
しかし、
「なに、文句あんの?」
あっても言える雰囲気ではない。竹刀を持っているせいもあって、梨花の迫力は三割増しだ。
バチン! と梨花は体育館の壁を竹刀で叩いた。三人は怯えて一瞬競争馬のように跳ね上がる。
うん、怖いだろう。まさか梨花が家から自分の竹刀を持ってくるとは、狭霧も考えていなかった。
「三秒待つ。土下座か地獄行きか選べ。」
それ言外に殺すって言ってますよね、と心で突っ込む狭霧は無視して、梨花は無情なカウントダウンを始めた。
「三、二ぃ……」
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