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「見せろ」
梨花は狭霧の制服に手をかける。彼はそれを拒絶した。
「ほっといてください」
ちっと、梨花は舌打ちをして、彼女は問答無用で狭霧の胸倉を掴んだ。そして、
「うあっ……」
足払いをかけ、バランスを崩した彼を床に投げ倒す。頭を打たないよう配慮はしたが、床の上でかましたのはさすがにまずかったかもしれない。少女のような少年は、その顔を苦痛に歪めている。
狭霧が回復する前に、その細い腰の辺りに乗った梨花は手早く彼の上半身を露(あらわ)にした。
「誰が、こんな」
問いかける声に、少年は答えない。顔ごと視線をそらす彼の身体には、無数のアザが刻まれていた。
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