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荒れ果てた大地。
木は枯れ、水は渇き生命をまったく感じさせないこの大地に二つの人影があった。
片方は黒いフード付きコートで全身を隠しもうひとつの人影を見据える。
フードが風でなびくたびに、ちらつく表情は、とても冷たい目をした強面の男。左目には修羅場を潜ってきた証であろう、大きな切り傷の跡が残っていた。
左目に切り傷の跡がある男が見据えるその先にいるのは、身体中傷だらけで、今にも倒れそうな青年が立ち尽くしていた。
青年は静かに左目に切り傷がある男を睨み付ける。
青年の瞳は揺らぐことなく一点を見つめる。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄悲しく、今にも泣きそうな瞳で。
そしてついに左目に切り傷のある男が口を開いた。
[哀れな。。実に哀れな子供だ]
それは、棒読みではなく本当に哀れんでいるようにも聞こえる。
[一度たりとも日を浴びることなく、暗闇の中をただ一人。。己の復讐を果たすためだけに生きる。。。まさしく憎しみにとりつかれた生きる亡霊だな]
[それは違う!
確かに俺はここまで復讐のために生きてきた。。。だ
だが俺は今こそ知った!!]
青年は腰に指してあった刀を鞘から抜いた。
[光と闇。。それは決して交わることのないもの。。しかし闇があるから光がある!!ならば、俺は!!
世界の闇となろう!!]
青年は刀を握りしめ左目に切り傷のある男切りかかった。
。。。。
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